
『ニセコイ』を最後まで読んだ同士たちよ、この胸のもやもやを共有しよう【ネタバレ】
2018/07/22いまさらながらジャンプで連載されていたラブコメ漫画『ニセコイ』を読みました。
普段は漫画を読んでこうして筆を執ることはないのですが、どうにもこの胸につかえるもやもやを吐き出さないとスッキリしないので、ちょっと徒然なるままに気持ちをしたためることにします。
あくまで読了後のもやもやを共有する目的で読むことをオススメします。
目次だけを読むと意図が伝わらない気がするので(小野寺推しの勝手な不満ぽく見えると思います)、のんびり根拠も含めて読んでいただけると幸いです。
また冒頭の注意書きの通り、思いっきりネタバレしているので、読み終わった者同士の感想の共有として、お楽しみください。まだ読んでない人はまずマンガを読んでくれ。このもやもやを共有しよう。
目次
まずは『ニセコイ』との出会いをカンタンに
ここ最近、急にアニメを観るようになりました。そして、私はラブコメがけっこう好きなことがわかりました。
そこで、手を伸ばした作品が『ニセコイ』。
アニメを観て、みんな可愛いし、楽しかったし、続きも気になるな、ということで、漫画原作を全巻買いました(アニメは中途半端なところまでしかやっていないので)。
『ニセコイ』との馴れ初めはこんな感じ。
『ニセコイ』は好き
結末にもやもやしているのは事実で、不満もありますが、『ニセコイ』という作品自体はけっこう楽しめたし、ほっこりもしたし、好きでした。
「読み終わっちゃうのもったいないなー」と思って、けっこうちまちま読み進めたりもしていました。彼らの世界に浸ってるのは好きでしたね。
それをご理解いただいた上で、僕が感じているもやもやと『ニセコイ』の「ここが失敗している」と思うポイントについて読み進めてただけると嬉しいです。
『ニセコイ』のここが失敗していると思う
誤解してほしくないのでハッキリ言っておくと、私は千棘エンド自体は別に不満ではありません。
漫画を読みはじめた段階、もといアニメを見はじめた段階で、「これは一条楽と桐崎千棘が結ばれるまでのラブコメなんだな」と認識したので、「最終的には小野寺は身を引くんだろうな」と予想していました。それがまたちょっと辛かったのですが。
なので千棘エンド自体は割りと早々に受け入れていたので、結末それ自体に不満はありません。(小野寺エンドも見たかったのは確かだけど)
ただ、あの結末に至る過程や設定とか演出とか、そういう面で失敗している感は否めないと思っているので、私なりに「ここが致命的ミスだった」と思っているポイント3つを挙げて紹介します。
小野寺をあまりに可愛くしすぎた
『ニセコイ』はハーレムラブコメですが、基本としては桐崎千棘と小野寺小咲のダブルヒロインという構成だと思っています。ただその中でもメインヒロインはあくまで桐崎千棘で、『ニセコイ』は「いかにして一条楽と桐崎千棘が恋に落ちて結ばれるか」という物語という認識。というかそう思わせる導入演出です。
で、あるのに。
メインヒロインが千棘なのに、小野寺があまりにもラブコメヒロインとして理想的すぎる(可愛すぎる)のが問題なのです。
私は千棘のことも好きですが、ヒロインとしては小野寺に軍配が上がってしまう、そう思っています。そのヒロイン属性とかキャラクター設定のバランスにまず失敗していると、私は言いたいのです。可憐さとか誠実さとか友情努力な部分とか。(その点では橘万里花ももっと報われてほしかった)
『ニセコイ』を批判している読者の多くは、おそらく小野寺に感情移入していたのに結末が報われなすぎて絶望したことでしょう(私)。
もっと千棘のヒロインレベルを上げて、小野寺のヒロインレベルを下げる必要があったと思います(でもあの小野寺が好きだから、それはそれで複雑なんだけど)。
小野寺をメインヒロイン(もしくは単独ヒロイン)にしなかった
あのままの小野寺小咲を描くのであれば、メインヒロインを小野寺にすべきだった、もしくは単独ヒロインのラブコメにすべきだったと思っています(単独ヒロイン希望)。
『ニセコイ』のコンセプト的にメインヒロインが小野寺では違和感があるので(ニセモノの恋人を演じる必要性問題とか)、全く別のラブコメ漫画になっちゃうと思いますが、それでも小野寺(みたいなヒロイン)が幸せになる漫画が読みたい。
安心して読める、約束された小野寺エンドのラブコメ、読みたい。
(『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』はまたちょっと違うから、これで満たされるわけではないですね、私は。)
小野寺ルート展開なのに千棘エンドという違和感
多いに私の主観だということは認めますが、ストーリー上の小野寺との仲の進展やイベントが「完全に小野寺攻略ルートじゃねえか」と思うわけです。
全体として、小野寺とは決定的イベントがちょこちょこあり、千棘とはもやもや進展がちょこちょこある、そんな印象です。
最後のクリスマスデートとかもう、これは小野寺と結ばれるしかないだろう的なイベントなのに。いったいなんだったんだ。約束の女の子も小野寺だったのに「ザクシャインラブ」とはいったいなんだったというのか。
一条楽と桐崎千棘はいろいろ打ち解ける系のイベントが起きてはいますが、基本的にはひたすら一緒にいるだけなのでは?という気がします。最終的な決定打は「ザイオンス効果」と呼ばれる「同じ人に複数回接触していると好きになってくる」というアレなんじゃないのか、くらいの。(嫌いだったけど、ずっといっしょにいたら好きになっちゃったんでしょ?)(異論は認める)
小野寺と結ばれるためとしか思えない展開や進展があるのに、蓋を開けたら千棘エンドという結末がなんとももやもやするわけです。
せめてちゃんと納得させてほしかった
しかも、最後の最後で一条楽の気持ちのひっくり返り方がなんかもう納得できない。だいぶ前からそっちに傾いてた感は演出されていたけども、この自覚しての心変わりは超重要なので、もっと丁寧に描いてほしかった。というかちゃんと納得させてほしかった。
「なぜ千棘なのか」というのが、分かるけど納得はできなくて、というか小野寺が振られる根拠としてもっと諦めがつくように演出してほしかった。「そりゃ仕方ないわ」って思わせてほしかった。
面白くするためなのかもしれませんが、ちょっと小野寺に対しても読者に対しても結末が残酷すぎる。千棘エンドなのに小野寺との関係を盛り上げすぎている。切なすぎる。
小野寺の最後の告白シーンで私は泣きました。あまりにも救われない恋の結末に。(るりちゃんも泣いてるのが地味にやばかった)
蛇足:九州編以降の人気急落に触れてみる
九州編から明らかに雰囲気が変わりました。「何だこれは?」と戸惑った。バトル展開など、ジャンプらしいといえばジャンプらしいと思いましたが、「これは『ニセコイ』に求めているものとはズレているな」とは感じました。
九州編がかなりわかりやすく感じた部分で、他の部分でもいろいろブレてきている部分があったんでしょう。ハッキリどれとはわかりませんが、読者の気持ちが冷めていくような要素が。
連載当時のことは知りませんが、その辺りから人気が急落し、最後は打ち切りになったのでは、という説まで囁かれたようです。確かに3年生になってからは異常に短いしね。
あんまり丁寧に演出している場合でもなかったのかもしれませんね。
総評
ひとことで言うと『ニセコイ』は小野寺小咲に恋する漫画です。(※個人の感想です)
でも最後には小野寺と一緒に、読者の私たちも失恋して、やるせない気持ちにとらわれる、そんな作品でした。
読んだことを後悔はしていませんし、もう少し『ニセコイ』の世界には触れているつもりですが、なんというかまあ、もやもやしますね。だからこそ筆を執ったんですが。
あとは
スピンオフ作品である『ニセコイ ウラバナ』や『マジカルパティシエ小咲ちゃん!!』も読んでみて、印象が変わるか確認するつもりです。
いろいろ不満を言っても彼らの世界は好きでしたからね。
変化があれば、また別途レビューします。
ということでひとまずは
私はこれから『ニセコイ ヨメイリ!?』で小野寺を攻略することにします。では。
私が感じたことがそのまま書いてありました(笑)
なにやら八つ当たり気味に叩いてる人が多いけど、結局サブキャラが魅力的すぎたんだよね。小野寺だけじゃなくてマリーとかも。クソだのなんだの言ってる人の多くは、みんな好きすぎて強アンチになっちゃった。本当につまらないなら読まないからね。
小説は読んでませんがトクレポはなかなか良かったです。今なら中古が安いのでオススメです。
コメントありがとうございます。
そうですね。魅力的な要素がたくさん詰まっていたからこそ、ちょっと締めが大味なのが気になって、読者を不完全燃焼な状態にしてしまっているところがある気がしますね。
トクレポ、チェックしてみますね。
小野寺が可愛すぎたってのがすごくわかります。
この漫画の最終刊夜中に読んで眠れなくなった思い出が…
小野寺エンドがないことは分かっていても辛いものがありましたね。
書いてることがすごく的確でいいなと思ったのでコメさせていただきました♪
コメントありがとうございます。
小野寺、ほんと可愛いですよね。
小野寺が可愛いのは仕方ないとして、もっと千棘とのイベントを充実させて、ヒロインとしてのバランスをちゃんと取ってくれていたら、もっと結末に納得感があったかもしれません!