
観てよかった親子の愛がテーマの映画 / さよならの朝に約束の花をかざろう
2018/02/26この映画を観た知人の「強さとは? 優しさとは? 愛とは? 全てが詰まっていました。」というコメントに惹きつけられて、その日のうちに観てきました。
観てよかった、と思っています。
「さよならの朝に約束の花をかざろう」とは
縦糸は流れ行く月日。横糸は人のなりわい。
人里離れた土地に住み、ヒビオルと呼ばれる布に日々の出来事を織り込みながら静かに暮らすイオルフの民。
10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つ彼らは、“別れの一族”と呼ばれ、生ける伝説とされていた。
両親のいないイオルフの少女マキアは、仲間に囲まれた穏やかな日々を過ごしながらも、どこかで“ひとりぼっち”を感じていた。
そんな彼らの日々は、一瞬で崩れ去る。イオルフの長寿の血を求め、レナトと呼ばれる古の獣に跨りメザーテ軍が攻め込んできたのだ。
絶望と混乱の中、イオルフ一番の美女レイリアはメザーテに連れさられ、マキアが密かに想いを寄せる少年クリムは行方不明に。
マキアはなんとか逃げ出したが、仲間も帰る場所も失ってしまう……。
虚ろな心で暗い森をさまようマキア。そこで呼び寄せられるように出会ったのは、親を亡くしたばかりの“ひとりぼっち”の赤ん坊だった。
少年へと成長していくエリアル。時が経っても少女のままのマキア。同じ季節に、異なる時の流れ。変化する時代の中で、色合いを変えていく二人の絆――。
ひとりぼっちがひとりぼっちと出会い紡ぎ出される、かけがえのない時間の物語。
タイトルにそこまで意味はないのかな、と思います。観終わってからもよくわからない。むしろコピーの「愛して、よかった。」の方が想い詰まってる気がします。
あんまり設定とかメタな話をして水を差したくないな。
母と子の物語
長寿の女の子と、人間の男の恋愛モノなのかなー、と思っていたんですが、まったくそうではありませんでした。
これは母と子のそういう愛の物語です。
マキアが拾った赤ん坊・エリアルは人の子なので、マキアを置いて行ってしまう運命ですが、マキアは何を想い、エリアルが何を想うのか。やがてくる別れのとき、何を想うのか。
もう一本の軸(もうひとつの愛の物語)もありますが、そっちは胸が引き裂かれるほど悲しくて、でも救いがないとも言えなくて、胸がいっぱいになります。
「愛して、よかった。」に救われる
ポスターのコピーにもなっている劇中のこのセリフに、この作品の想いとかメッセージが詰まっているのかも、と思いました。劇中でこのセリフを聞いたとき、泣きそうになったし、心が救われた気がした。
イオルフの民は、その長い寿命故に別れを運命づけられていて、外の誰かを愛したとしても必ず先立たれてしまう。だから予告編にあるとおり長老・ラシーヌ(CV:沢城みゆき)も「イオルフの外に出たら人を愛してはいけない」と説いている。「本当のひとりぼっちになってしまう」からと。
でも、時を経て、想い、零れ出た「愛して、よかった。」ってセリフにはすごく説得力があったし、私自身も人を愛したいと思えた。素敵だった。
この作品のテーマって「愛って」なのかな、と。そんなふうに思っています。
声優情報
キャラクター | 声優 |
---|---|
マキア | |
エリアル | |
レイリア | |
クリム | |
ラシーヌ | |
ラング | |
ミド | |
ディタ | |
メドメル | |
イゾル | |
バロウ |
ということで「さよならの朝に約束の花をかざろう」は観るべきか
観るべきです。私個人としてはできるだけ多くの人に観てほしい。
美しい作品で、人生とか愛とか家族とか、そういうのに想いを馳せて、大切にしたくなる素敵な映画です。もっと多くの人が触れて、それぞれがそれぞれの考えでもって、また新しい朝を迎えられたらいいな、なんて思います。
独り身の私でもそんなふうに思えたので、恋人や子を持つ人なら涙が止まらない作品になる気がしますね。
観てよかったかどうかは、ぜひ観てから審判してください。